午後は小児病棟でのタッチケアとアロマケアのボランティア。Loving Touchcare Projectとして活動しています。 厳しい病気のこどもたちが日本中から集まるこの病棟で、タッチケアやアロマケアをベッドサイドで、あるいは学習室で、食堂で、プレイルームで、こどもたちの症状や治療の経過、親子の関係性などを考慮し、ホスピタルプレイスペシャリストさんや病棟保育士さん、師長さんや主治医と相談しながら一人一人毎回オーダーメイドのケアを提供しています。 あらかじめ決めった情報がないことも多く、当日、その場での対応が求められるのです。 今日は、先月講師をさせていただいた研究会に参加してくださった保育士さんが、ぜひ自分の病棟のこどもたちとお母さんにタッチケアやアロマケアを体験してほしい、と企画してくださり、グループでの講習会になりました。病院到着時の打ち合わせでは、お二組くらいのご参加かも、ということだったのですが、いざ始まると、どんどん参加者が増え、看護師さんやリハの先生方も見学に訪れてくださり25名くらいに。 資料、たくさん印刷してきて良かった!アロマ...シールも精油もたっぷりもってきて良かった、と胸をなでおろしました。 外科病棟だったので、怪我から形成から内臓の手術まで、ゼロ歳児から小学校高学年までの親子のみんなが、香りを嗅いで話がはずみ、タッチケアになると、笑顔いっぱいになりました(๑˃̵ᴗ˂̵) シールに絵を描いてもらうのですが、こどもたちがほんとうに嬉しそうで、「おとうさん、いつもありがとう」とか、「しあわせ」とか、反抗期前の男児が照れながらお母さんへのイラストを描いていたり。 ふわぴたタッチの気持ち良さに驚いたり、こどもたちからお母さんへのタッチでは、こどもたちが誇らしげな表情を見せてくれたり。 そして、講習会がおわったらそのまま、隣のリラクセーションルームに移動してもらいました。 このお部屋を見て、嬉しくて、胸がじんわりして、涙が出ました。 保育士さんがこの講習会のために、プレイルームにキャンドルやライトを工夫し、マットとクッションで、タッチケアのあとの親子がゆっくり過ごせる空間を作ってくださっていたのです💕大好きな香りと、タッチケアの温かい手の温もりの中、すーすーと安心して眠るこどもたちもちらほら。 こんな病院があるんだ、こんな病棟保育士さんがいるんだ。ここでの活動では、大人でもくじけてしまいそうな辛い治療を余儀なく選ばされているこどもたちや、自分を代わりに差し出したいと願いながらつきそうご家族のために、細やかに寄り添っておられるスタッフの方から多くを学びます。タッチケアセラピストとして、クリニカルアロマセラピストとしての在り方を、問いかける場になっているのです。 講習会のあとは、二組が待っていてくれました。 前回、お母さんとタッチケアレッスンにきてくれた小学生の女の子♪期限の決まっていない絶飲食!という凄まじい治療のなかで、お腹を空かせて院内学級でも一生懸命勉強しています。食べたいけど、なにも口にいれることができない、そんな状況の中で助けになる香りはないでしょうか、という難易度の高い希望でした。 幸い、好きな香りが見つかり、スプレーを作りました。シュッと部屋にスプレーしてみると、とってもいい香り。暗く落ち込んでいた女の子の顔に明るさが戻りました。 香り、タッチ、安心、穏やかさ。痛みや辛さは脳が感じている側面が大きいので、まだまだできることがたくさんあると感じます。 そして、もうひとりはかなり病状が進んでいる高校生の女の子。 前回一緒にスプレーを作りましたが 今回はもう選ぶことができないので、お母さんからのリクエストで前回の香りで作成しました。フルーツの甘い香り。バスソルトを入れた足湯をほんとうに喜んでいたこと。スプレーをすると、嬉しそうだったことをお伝えくださいました。 香りは記憶を喚起します。プルースト効果といいます。五感のなかでも、脳にダイレクトにつながる嗅覚は、快不快を瞬時に判断する扁桃体や記憶に関わる海馬に影響を与えます。香りを嗅ぐとそのときの記憶がスルスルと蘇るのです。 この活動をしていると、亡くなったお子さんが好きだった香りのスプレーをもう一度作ってほしい、という依頼もいただきます。 このときの香りの記憶は、辛い治療のなかで、香りを選ぶときに見せてくれていた笑顔や会話を思い出しておられるようです。
8月に開催される医療的ケアが必要なこどもたち、そのご家族を対象とした『あそびかたフェスタ』のブース出展が決まりました! たくさんのこどもたちに香りとタッチを届けてきます。応援のカンパもどうぞご協力いただけましたら幸いです