10年くらい前にタッチケアレッスンに通ってくれていた男の子。 引っ越しをされたので、そのまま会えなくなり、
先日数年ぶりに遊びにきてくれました^ ^
初めてお会いしたときは一年生のとき。
発達凸凹があり治療を受けておられました。
はじめての場所で緊張したのか、
椅子の下に潜り込んでじっとわたしとお母さんの会話を聞いていました。 わたしのケアルームには簡単に弾ける楽器がいくつかあるので、
一緒に太鼓を叩いたり、鈴を振ったり、そんな関わりから心を開いてくれるようになりました。
お母さんの心配は、お友達ができるか、ということ。 テンションが高くなると、部屋中をものすごい勢いで走り回り、
椅子に飛び乗りたりジャンプしたり、目が離せないのです。 お母さんは毎日かかりきり。学校の様子を熱心に聞き、辛い思いをしていないか、
細かな行動の全てに神経を張り巡らしていたので、お母さんもお子さんもクタクタに疲れておられたのです。 太鼓を叩き、おしゃべりをして、思う存分体を動かしてから、
ようやく背中に触れ、タッチケアを行ないました。
お母さんの張り詰めた糸が、お子さんよりも先に緩みました。
お子さんも、硬く縮こまっていた肩やお腹が柔らかくなり、嬉しそうにじっと身を任せます。 「あんた、こんなんが好きやったんかいな!」
「うん!母ちゃん、大好き」
そんな会話を交わしながらのタッチケアレッスンでした。
今日、久しぶりにお会いすると、
170センチ以上のがっしりした体格の落ち着いた中学生!
華奢で小さく、ケタケタと笑っていたあの小さな頃とは別人のよう。
太鼓にはもう手を出しません。
いつも「もう一個ちょうだい」と手を出していたクッキーも「いただきます」と落ち着いています。
クリスマスに友だちとパーティをしたこと、
クラブで良い仲間が出来たこと、
語り尽くせないくらいいろ〜んなことがあったけど、
「僕の年からしたら、たぶん、すごく楽しい」と話してくれました^ ^
子育て中、いつも思いました。
特に上の子は手がかかり、心配もたくさんありました。
ほんの一瞬でいいから、5年先の、あるいは中学生になった頃のこどもの姿を見ることができたら、もっと落ち着いて信じて待てるのに。
とっくに成人した息子の柔らかな佇まいや、
目標に向かってコツコツと努力している姿や、笑いかけてくれる笑顔を見ていると、やきもきと先回りしていた自分に「信じていて大丈夫」と声をかけたいです。 目の前の「いま、ここ」に集中しすぎているときは、少し先に時間をずらしてみることも大切。 今日の大きく成長したAくんを見て、そんな風に感じています^ ^
A君、ありがとうね。お母さんのまなざしがとてもやさしくて
嬉しく手涙がでたよ。